ニーズを生み出す源泉

商品の企画を出す際に、部下が上司に言われるであろうフレーズは

「それってニーズあるの?」です。

もしかしたら、あなたも言われた(言った)経験があるかもしれませんね。

特に、経営者やマーケティングを学んでいる方は、基本的にこのニーズを元に戦略を立てようとしたり、ニーズがあるかないかで企画を通すかどうかを決めたりします。

しかし、私たちが普段使っている「ニーズがありそう」とか「ニーズがない」とか「潜在的なニーズ」とかいう言葉って、ちょっとアバウトな表現ですよね。

例えばニーズがあるとテレビやメディアで取り上げられた商品を、同じようにセールスしても売れませんよね。

となると、『世間一般にニーズがある=売れる』という単純な公式では表せられない気がします。

じゃあ、一体ニーズってなんなの?

なにを以て、ニーズがあるというのか。
なにを以て、ニーズがないといえるのか。

なんとなくのニュアンスはわかるけど、じゃあ実際に「ニーズってなによ?」って聞かれたら、困る人も多いんじゃないかなぁと思うわけです。

そこで私もいろいろと気になって調べていたのですが(よっ!オタク気質!)、実はニーズが生まれる前には、ニーズを生み出しているものがある、ということを知りました。

温泉ができたところには、温泉が湧き出る源泉があるように、ニーズができたところには、必ずニーズを生み出す源泉があるってことです。

それが、タイトルにもある『ジョブ理論』です。

もしも、あなたがこのジョブ理論を知ることができれば、あなたのビジネスにおいての、『ニーズを生み出す源泉』を見つけることができます。

ジョブ理論とは?

ジョブ理論とは、クレイトン・M・クリステンセンというハーバードビジネススクールの教授が考えた理論で、人がどのような物を買い、どのようなものは買わないのかを説明できる理論です。

クリステンセンは、ジョブ理論の「ジョブ」の定義を、

『ある特定の状況で、その人が成し遂げたい進歩』をジョブ(仕事)と定義しています。

また、

『消費活動というものは、顧客のジョブ(仕事)を自分の代わりにやってくれる特定の商品やサービスを「雇う」ことだ』と言っているわけですね。

この定義こそが、私がニーズにしっくりこなくて、ジョブにピンと来た理由です。

なぜだかわかりますか?

私と同じように、ジョブの定義を聞いて「あー!なるほどね。」と腑に落ちた方もいるかと思いますが、せっかくなので、スクロールを止めて、自分なりに考えてみてください。

・・・。

考えてみましたか?

そうです、ジョブにあって、ニーズにないものとは『ある特定の状況で』というもの。

つまり、人の状況や環境によって、欲しいものが変わるというわけです。

どんなにいい商品やサービスでも、同じようなターゲット層に売れないのは「その人の状況や環境」に合っていないからなんです。

でも逆に、全く違ったターゲット層(若者や主婦、高齢者など)だったとしても、その人の置かれた状況や環境が合っていて、なおかつ成し遂げたいことが同じであれば、売れるってことなんですよね。

これ、結構マーケッターが陥る罠なんです。

なぜ、特定の状況や環境を重要視しなくちゃいけないのかなんですが、人は、置かれた環境によって「雇う(買う)」ものが変わるからなんです。

なので、ニーズというものは「商品やサービス」そのものであり、ジョブとは「顧客が成し遂げたい進歩」のことなんです。

ちょっとややこしいですかね?(語彙力ちょーだい!!!)

要するに、あなたが販売している商品やサービスというものは、「目の前のお客さんが解決したがっている問題」を解決してくれる人材として雇われる(買われる)というのがジョブ理論なんですね。

ニーズに踊らされてはいけない

ニーズは商品やサービスです。なので、ニーズがあると言われるのは、単に売れている商品というだけです。

でも、そこに、なぜ売れているのか?どんな状況だからそれを買ったのか?というジョブの部分をしっかりと考えることが重要なわけです。

ニーズがあるからといって、適当にリリースしても見向きもされないのはそこですね。

本当にあなたが売りたいと思っているのなら、ニーズばかりに注目するのではなく、ジョブをしっかりと意識することが大事なわけです。

『あの商品を買った人たちは、どんな進歩がしたくて買ったんだろう?』

『あの店に並んでいる人たちは、どんな進歩がしたくて並んでいるんだろう?』

『あのサービスを受けている人たちは、どんな進歩がしたくて受けているのだろう?』

こういった『ジョブ視点』を以て、世の中の商品やサービスをみてみると、ニーズを生み出す源泉を見つけることができると思います。

本当に、本当に大事な視点ですので、ぜひ覚えておいてほしいなと思います。

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